谷川岳・南稜(6月7~8日)

明るく快適で岩のしっかりとしている谷川岳烏帽子沢奥壁南稜。天気予報は土日とも微妙であったので、現地についてからどちらの日に登るか決めようということであったが、土曜日の朝にテントから顔を出してみると、稜線と青空が見えていて登攀日和と判断。全部で8人の大集団であったけれど、南稜テラスから3時間ほどで快適に上まで登りきることができ、登攀成功。その後、テントに戻ってからは、夜更けまで焼肉をつつきながら話に花が咲いた。翌日曜日は一ノ倉沢で慰霊祭を行い、山で亡くなった仲間たちへの花と線香をささげ、今年1年の無事故を誓い合った。

メンバー:8人
#一ノ倉へ
金曜の夜12時半、上里SAに集合し、そこから一ノ倉沢出合のキャンプ場まで移動する。6人用くらいのベニヤ製のテント土台の上に、8人用テントを強引に張って、その中で軽く酒を飲みつつ就寝。

#準備開始

土曜日朝、テントから顔を出して外を見てみると、思っていたよりも天気がいい。朝食を取り、6時半ごろから準備をし始める。

#出発

7時出発。天気も良く、山を前に気持ちが高ぶってくる。

テールリッジまで、30分ほど雪渓の上を歩く。

テールリッジから見上げる中央稜と、その左奥の南稜。テールリッジの途中で、フラットソールに履き替える。

天気が良いため、谷は明るく、歩いているだけで楽しい。遠くに出合の駐車場が見える。

8時20分、中央稜の取り付きに到着。既に何パーティか登攀中であった。

中央稜の取り付きを通り過ぎ、烏帽子スラブを南稜へとトラバースする。比較的道がしっかりとついており、それほど問題はない。ただ、中央カンテなどを登っているパーティーが居たら、落石には気をつけたほうがよさそう。

既に南稜を登っているパーティーが何組かおり、その脇の南稜フランケにも数人のグループが取り付いていた。広い南稜テラスでザイルなどを出して準備を行い、登攀に必要のなさそうな靴などはデポしていった。

#登攀開始

登攀を開始したのが8時40分。今回は8人参加だったので2人ずつ4組に分かれての登攀。ここで、ザイルの色がかなり被っているという問題発生。今回持ってきているザイル8本のうち、3本が同種黄色のザイル、そして2本が同種青のザイル。値段だけを見てザイルを買うのは良くないということか…。

2ピッチ目のチムニー手前から見下ろした南稜テラス。

3ピッチ目。チムニーを抜けたあとのフェース。快適なフリーのピッチ。

4ピッチ目。草付き。ここはザイルを引きずりながら笹を掻き分け歩く。

草付き終了点から、フェースを左上すると、6ルンゼ側の5人でも十分立てる広さのテラス到着(5ピッチ目)。岩を巻き込む形になるので、パートナー間の声が通りにくい。テラスに到着後、渋滞中であったので、しばし休憩。そこから続く6ピッチ目は6ルンゼ側のテラスから馬の背リッジ下部。途中、巨大な浮石があって恐怖を感じたが、それには触らぬように慎重に抜ける。

馬の背リッジを見下ろしたところ。高度感があって気持ちがいい。

8ピッチ目。南稜の核心である垂直のフェース。支点は多く安心感はあるが、部分的に濡れているホールドもあり。

終了点からの眺め。12時をちょっと回ったところで到着。渋滞が途中にありながらも、8人で3時間ほどの登攀時間だったので、まずますのスピード。

#下山

6ルンゼ右俣を懸垂下降で下る。ザイルを回収する会長たち。

下降途中にある空中懸垂。宙ぶらりん状態が楽しい。

南稜テラスに着いてから、デポした靴などを回収し、来た道をテールリッジまで戻る。テールリッジを下降していると、今まで降りそうで降らなかった雨が降ってきた。

テールリッジから雪渓へ。この隙間から冷気がモクモクと出てきていて、雪渓への乗り移りは嫌でも慎重になる。

雪渓は滑り易いので気をつけながら、駐車場まで戻ったが、天候は徐々に悪化してきて、駐車場に着いたころには強い雨に変わっていた。

#テントで宴会

登山道具を車に残してテントに戻り、あとは宴会モード。夕食のメニューは焼肉と雑煮であったけど、焼肉とビールだけでお腹いっぱい。あとは、適当につまみながら、各自適当にごろごろ。それぞればらばらに21~23時ごろ就寝。

#慰霊祭
翌日曜日は、慰霊祭。9時くらいから一ノ倉沢を少し登ったところで、山で亡くなった仲間たちへ花と線香をささげ、今年一年事故のないようと誓い合った。

#東京へ
慰霊祭を終えてから、テントをたたみ、温泉に入ろうかと洞元荘に行ってみると、油類を川に流出させたとかで営業停止のよう。そんなこともあり、結局風呂に入らず、水上の食堂でカツどんの昼食を取り、水上市街でラフティングのボートを積んだトラックを何台も見ながら帰京。