天竜川・大田切本谷

今年に入ってから5回目で、恐らく今年最後の沢登り。3連休の前半2日を使って中央アルプス空木岳から流れ出ている大田切本谷を登ってきた。事前の天気予報では晴れだったけれど、晴れたのは土曜日の午後から。金曜夜東京発で、土曜朝7時半から行動開始し、二俣を越えたところのテント場には15時に到着。翌朝は6時半発で登り始めたが、空木岳経由で菅の台駐車場に戻れたのは、夜の21時40分。体がガクガクとなる15時間行動。一二の中間稜に続く、再びの長時間山行だった。 メンバー:6名

沢道具をザックに詰め込んだ後、ここからタクシーで檜尾橋まで行く(約2000円)。全員は乗り切れないので、タクシーには2往復してもらった。

檜尾橋を渡ったところから歩き始め。7時半。ここからは取水口の点検道のため、道はしっかりとして歩きやすい。

立派な鉄橋や、トンネルが整備されている。快適なハイキングの終了間際に、本谷にかかる2つのつり橋を渡り、取水口へ。

取水口。すぐ近くに悪沢が流れる。

取水口を過ぎたあたりで、軽く食事を取った後、入渓の準備。そして沢登り開始。8時50分。天気予報では晴れだったのに、青空は良く見えない。

大岩の左側を登るしかないのだが、フックスロープがぶら下がっているだけ。本には流木があるとあったが、腐って朽ちている。

しょうがないので、フィックスロープにアブミを引っ掛け、強引によじ登る。2人上がった後、他のメンバーのザックだけ先に持ち上げ、空身で上がる。

ゴルジュ帯に入り、大きな淵が現れる。色がエメラルドグリーンで美しい。右に左にあまり水の中に入らずに進む。

薄暗いゴルジュ帯を進む。雨もパラパラ降ったりした。ほとんどの滝は小さなもので、容易に乗り越せる。

11時40分、梯子ダル沢に到着。この辺りから雨が止み、少しずつ日が差すようになってきた。

梯子ダル沢の見送ったら、すぐに3mの滝が見える。滑りやすそうなので、一応ザイルを張った。

草付きバンドにも、一応ザイルを張る。慎重にあるけばステップがいくつもあり、滑って落ちることはない。

3mの滝を過ぎると、ここからはゴーロ歩き。適度に水に入りながら進む。午前中の曇り空の時とは、打って変わって、狭い谷間に太陽の日が差し込んでくる。

14時半、二俣到着。入渓から5時間40分。右が東熊沢で、左が本流。時間がまだあったので、左の本流をさらに進む。二俣周辺から先に、何箇所かビバーク適地があった。(ここより上流の西熊沢出合周辺には1箇所しかテント場を発見できなかった。)

その中で、2張りのテントをはれる場所を見つけ、テントを立て、薪を集め、火を起こす。それからはみんなでノンビリ過ごす。

日が落ちた中、みんなで焚き火を囲んで、酒を飲む。食料は大量に上げているので、食い物には困らない。

4時起床。みんなで食事をし終わっても外は真っ暗だったため、再び睡眠。明るくなってからテントを畳み、6時半発。

本にも載っていたが、ホルスタイン模様の岩。この沢のあちこちに、このような模様の岩が転がっている。

後ろを振り返ってみると、遠くには八ヶ岳が見られた。一番高いのが赤岳かな。それにしても、一気に標高を稼いできているのが後ろを見てみると良く分かる。 #藪コギ

う~~む、本を読むと、登山道まですぐに出られるような感じだけれど、草付きの急斜面をよじ登ったり、小ピークを2つ踏んだりと、なんだか予想と違う展開になって、疲れがどっと出てくる。

山荘のコルがすぐ目の前にあって、登山客の声がすぐそこに聞こえるのに、なかなかたどり着けない。2つ目のピークを越えた後、そこから懸垂で降りて、あとはコルまでトラバース。木曽殿越山山荘には13時50分到着。想定より3時間ぐらい遅かった。

ここで、会長たちと別れ4人で空木岳を目指す(会長たちは空木岳の非難小屋でもう1泊)。靴を履きかえるのも面倒くさかったので、沢靴のまま、バテバテの体にムチ打って、2863mの山頂へ。風は強かったが、天候は良く素晴らしい景色が望めた。

登山道の途中からは、雲海が望める。

15時40分、空木岳山頂到着。

ここから、立派な登山道を通って、菅の台の駐車場へ。長い長い下山が始まる。

 

途中までは、開放的な道が続き、歩いていて楽しく、気分爽快。そのうち、うっそうとした森の中に入る。 18時くらいからは日も暮れてきたので、ヘッドライトの明かりを頼りにした下山。真っ暗で周りの状況が良く分からない中を、無言のまま歩き続け、菅の台駐車場に着いたのは21時40分。諏訪湖PAで遅い夕食を取った後、午前2時を回ったあたりで、東京に到着。 みなさん良く頑張りました。