錫杖岳前衛壁(3ルンゼ:冬季)

今年は3連休が1月のみで2月・3月が無いので、行きたい山域をあげたところいつもの八ヶ岳より錫杖岳に行こうということに。
私は3ルンゼ夏に途中まで登っているのですが、冬は全く違う表情を見せてくれ十分楽しむことができました。
結果、トレースがついていない場合4日間が必要ということが分かりました。(ラッセルの状況によるとは思いますが)

メンバー:4名

1日目

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早朝、東京を出発して中尾高原口の駐車場に着いたのが11:30頃。
安房トンネルを越す前は雪が少なく正月よりぜんぜん雪降ってないんじゃない?とか雪が少なかったら別のルート行こうかと心配していましたが、現場まで来ると普通に雪がありほっとする。

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他には一台も車がありません。
せっかくの3連休なのに誰も入ってないのか。
この時点では正月より降雪もあまりなさそうなので、ラッセルも少しあるぐらいだろうと高を括っていたのですが・・・

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12:15頃出発!

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槍見温泉脇から登山道に入る。

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始めは足首くらいまでの雪が、あっという間に腰くらいの位置までに。
おまけに正月人が入っていないためかトレースがはっきりせずラッセルに四苦八苦する。
しかも気温が高いためか雪が重く衣類にしみ込む。

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徒渉ポイントか?と思ったところは間違っていてたりする。14:30

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雪の下がどうなっているのか分からないので慎重に。

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侮ると川に落ちそうになります・・・

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4時間ほどラッセルした後、テントが張れそうな適当な場所を見つけ今日の工程は終了。
当初の予定では1日目でクリヤ谷岩室まで行くはずだったがちょっと甘かったか。夏道だと2~2.5時間で行くのにな~。
今日のご飯はキムチ鍋。
余った汁は、明日朝の雑炊のもとに。

2日目

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この調子だと今日の工程は天場まで行き、3ルンゼ取り付きまで偵察(&トレース作り)になるだろうと考える。
7:00頃テントを片づけ、7:30出発する。

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今日は気温が下がったせいか雪が昨日と比べて軽い。
しかしながら工程の半分くらいの徒渉ポイントにはまだたどり着いていない・・・

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登攀道具、食料、テント類と結構重たいです。

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20分ほどラッセルすると夏の徒渉ポイントに到着!
夏徒渉した場所、水量若干減っているものの靴を脱がないと渡れないくらい。
さすがに嫌なのでもう一つの徒渉ポイントが渡れるか調べる。

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水位が低くなっているところに雪が付いており滑らないように慎重に渡る。

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あとはひたすらラッセル。

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ラッセル。

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傾斜もあるせいか胸以上のラッセルとなるところもある。
ほんと誰も入ってないのね・・・(所々赤布はあるけど)

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高度も上がってきたので雪の結晶がはっきり見える。

不思議な結晶体。

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やっと錫杖岳前衛壁が見えてきた。11:00

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写真左の奥の岩がクリヤ小舎

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クリヤ岩に13:00到着。

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岩がハングっているので雪崩や風の影響がなく快適そのもの。

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テントの中で休憩するともう外に出れなくなるかも(寒いし疲れているので)ということで小休憩後、偵察に出かける。13:35

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空身になるとラッセルが楽とはいえ容赦ないラッセルを強いられる。

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目の前にP4が見えるので気合でひたすら登る。

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やっと見えてきました!!(3ルンゼ)

やはり雪が付いているので、アプローチ夏のガレタ道よりは登り易いです。

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3ルンゼ取り付き。

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いい感じじゃない?と偵察。15:00

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下りる頃には下界も見渡せるくらいに。

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穂高の方も上部がうっすら見える。

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今日は撤収~。15:10

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下りることの早い事。15:30~15:40に降りてくる。

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寒いので梅酒、日本酒と飲んで体を温める。

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今日の食事は、野菜たっぷりスープ、すき焼き、その後うどんです。

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後はひたすら(1時間以上?)水を作る。

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月が雲と幻想的な景色を作り出している。

明日は3:30起きで準備するため21:00過ぎには就寝する。

3日目

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5:30頃出発する。今日は雪がしんしんと降っている。

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辺りはまだ真っ暗。昨日つけたトレースのおかげで登り易い。

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取り付きに1時間もかからず到着し準備をする。

行動を早めにするため2パーティに分けアタック。6:50 やっと明るくなってきた。

気合が入る!!

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ラッセルをしていくとズボッとはまる・・・

下はF1らしくそこそこ深い。

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下まで落ちなくてよかった。

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ビレイ中は非常に冷える。

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上部からひっきりなしにスノーシャワーが降ってくる。

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1P

雪が深く、夏の支点がどこにあるか探すのが大変。 あちこち探すがあまり見つからないのでハーケン、アイスピトン、アイスフックを駆使して支点を作っていく。

アイスピトンが草付き+氷のところに非常に効く事が判明。

写真 各パーティは別々のところで1Pをきる。

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上部1P終了点より。

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1P途中。この辺はまだラッセル。

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手をあげている場所が下部で区切った所。

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2P

本当は右のチムニー?登れば支点があった(懸垂の時気づきました)が、見た目易しそうな左アイス部分を登る。

アイスを抜けた部分が難しいところに出て苦労する。 ここでもアイスピトンが活躍。

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スノーシャワーの洗礼。数分に一回割合で降ってくる。

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我々の1チームは先に懸垂で下りる。

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2P終了点よりフォロアーを見る。

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2P終了点で記念撮影。 2P終了点はきちんとしたビレイ点がありました。 ここがF3かF4か判断できない・・・

ここで時間切れ。10:10頃

後ろ髪をひかれる思いで懸垂の準備に入る。

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2P終了点から上部を見る。

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この下りてきているところを登ればよかったのね。

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先に降りたパーティ。

長らくお待たせしました。

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撤退~!10:50

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新雪が積もって登ってきたトレースが消えつつある。

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メンバーの面々。

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テントを回収し、下山に。12:30

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下りは早い。

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登ってくるときに渡った徒渉ポイント。こんな感じで雪が付いています。

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登りのラッセルが大変だったのにあっという間に登山口に。

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駐車場に到着。14:30

その後平湯温泉に入って帰路につきました。 この日は高速道路も混んでなくスムーズに東京に到着。20:30頃